研究概要 |
平成2年度は、W.ノイバウア-(Neubauer)フランクフルト大学教授、C.ヴァイル(Weil)同大学講師およびB.ホ-フ(Hof)ドイツ経済研究所(Koln)研究員の協力を得て、「経済構造指標体系の日独比較」にかんする研究計画を立案した。そして、(1)日独両国の主要な経済統計デ-タの調査概念と公表ル-トにかんする資料調査と統計指標体系のデ-タ構造を明らかにする基礎分析、および(2)わが国の経済計画の目的・課題体系と計画指標の対応関係にかんする資料・ヒアリング調査を実施している。 とくに、(1)の基礎分析においては、申請者が、本研究の準備作業のために執筆した"Das Gesamtsystem der statistischen Erhebungen in Japan"(『経済学研究』第55間第1・2合併号平成元年10月)にもとづいて、日独の経済統計資料集の吟味・検討を行った。その結果、一般にもちいられているOECD統計局の主要経済指標(Main Economic Indicator)だけでは、日独の経済構造の比較指標として、大きな制約があり、日本では、総務庁統計局編『統計調査総覧』、西ドイツでは、ドイツ連邦統計局編"Arbeitgebiet der Bundesstatistik,Katalogen"にもとづいて、編成作業を進めている。 他方、経済指標の国際比較にかんする西ドイツの研究論文や資料分析を収集し、経済構造指標にたいする西ドイツ研究者の問題関心や分析の問題点を整理し、明らかにした。また、申請者の本研究室の松川助手が国際連合やEC共同体がマクロ経済指標の国際比較を行うために開発しているデフレ-タ-等の経済指数の実質的な内容・性格を考察し、論文をまとめている。
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