平成2年度は研究代表者の望月喜市は平成2年7月、9月、および平成3年3月にそれぞれソ連極東地方、シベリアのハバロフスク、ビロビジャン、ノボシビリスク等に出向き資料収集、および当地の研究者との意見交換を行った。このとき西側ではなかなか入手困難であったソ連極東地方の産業デ-タの収集を行うことで出来た。とくにハバロフスクではハバロフスク経済研究所との今後の研究協力を求めることが出来たので次年度以降の研究に有益な結果をもたらすものと期待される。またこの折の収集デ-タの一部をもとに、「北海道とソ連極東との経済交流促進の可能性に関する研究」を研究成果としてまとめることができ、来年度以降の研究の足がかりとなっている。 現在ソ連ではこれまでの指令型経済から、市場メカニズムを導入した経済への転換が計られようとしており、とくに日本との経済交流が期待されており、これまで隠されていたデ-タが公開されてきている。このデ-タを次年度以降の研究に生かすように現在スラブ研究センタ-に日本学術振興会招へい研究者として滞在しているソ連からの日本経済の研究者A・ベロフ氏とも共同研究を行うべく計画を進めている。 研究分担者の嶺野幸子は産業地図をパ-ソナルコンピュ-タによって入力するために、平成2年度は図形デ-タ処理に優れたマッキントッシュSE/30を一式購入して地図作成ソフト、図形処理ソフトなどを利用して極東ソ連の地域地図デ-タの作成を試みた。ただソフトウェアの性能の限界に加えて、入力の基礎となる地図デ-タそのものがソ連極東地域については詳細なものを未だに見つけるに至っておらず、期待した出力結果を得るに至っていない。平成3年度以降の引続きの研究課題となっている。
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