研究概要 |
本研究の2年めに当る平成3年度の目標は、(1)前年に続き、幅広い資料収集につとめることと,それに基づく研究の進展,(2)レポ-トのまとめにあった。資料収集では,Joint Ventures in USSR、ソ連投資実務法会集、Russia and USSR:The New Investment Laws,合弁事業(露語版)などを入手できた。 研究は困難な面があった。ソ連邦が崩壊の過程に入るとともに、ロシアなど各共和国の経済主権が強化され、連邦と共和国の法律が同時に存在した(外国投資法では1991年9月〜12月)。結局、ソ連が解体し,各共和国が独立したため、合弁事業・外国投資などでも、ソ連法は廃止された。各共和国の法規が、その共和国の領土において、効力をもつことになったのである。したがって、本研究においては、旧ソ連構成の15共和国全体のフォロ-は難しくなり、ソ連の後継国家として、ロシアの外資導入を中心にする形に切りかえざるをえなくなった。要するに、研究区分としては、(1)ソ連の新経済政策(ネップ:1920年代)の時代,(2)ソ連のペレストロイカの時代(1987〜91年),(3)ロシア連邦の時代(1992年から)になる。 研究実績もこの3区分に応じたものとなった。すなわち,「ソ連・ロシアにおける合弁事業と外国投資法」,「独立国家共同体(CIS:旧ソ連邦)の経済協力」などである。また,ロシアにおける市場経済化の研究とそのなかでの外資導入の意義についても、情報収集・研究を進めている。
|