研究課題/領域番号 |
02630053
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研究機関 | 帝塚山大学 |
研究代表者 |
跡田 直澄 帝塚山大学, 経済学部, 助教授 (90144641)
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研究分担者 |
池田 尚司 帝塚山大学, 経済学部, 助教授 (60144177)
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キーワード | 高齢化 / ストック化 / 税収予測 / 租税回避 / キャピタルゲイン / マクロパフォ-マンス / 公的年金 / 個人年金 |
研究概要 |
近年のわが国経済の特徴は、急速な人口の高齢化の進展、および株価や地価の高騰によるストック化の進行にある。本年度の研究では、この2つの側面と税・年金制度との関わりを理論的・実証的に分析した。 経済のストック化の進行は、国および地方の税収に多大な影響を与えた。特に近年の自然増収は過去に例を見ないほど大きく、その資金的な余裕は高齢化社会への移行過程で再び大きな政府への指向を生み出す恐れがある。そこで、近年の税収予測の失敗の原因を分析した(跡田・後藤:税収予測と税収の構造変化)。また、個人の危険回避による租税回避的な行動についても主に理論的側面から検討した(池田:Tax Evasion with Heterogeneous Risk Attitudes)。 一方、人口の高齢化の進展とともに、わが国ではマクロの貯蓄率が急速に低下している。これは、順調なマクロ経済の推移とは対象的な現象である。この背景にある問題として、本年度は規制の問題とストック化の問題に注目し、分析を行った。前者については、規制が行われる場合の効率性のロスに着目し、その問題点を明らかにした(池田:Tax Incidence with Regulated Public Utilities)。後者については、地価高騰によるキャピタルゲインが消費・貯蓄に与える影響を明らかにし、税制の問題点を明らかにした(日本経済のマクロパフォ-マンスと貯蓄)。 なお、現段階ではまだ論文として公表していないが、本年度のプロジェクトとしては社会保障制度のなかでも特に年金制度の問題を取り上げ、公的年金制度の財政収支モデルを構築し、そのシミュレ-ションを踏まえて、制度の抱えている問題点を明らかにした。さらに、個人年金の果たすべき役割を検討した。
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