研究課題
一般研究(C)
葉層構造に幾何構造を導入する自然な仕方は、2通りある。一つは、葉に横断的な方向に導入するものであり、これに関しては既に多くの研究がある。他は、葉に接する方向(即ち、各葉上)に導入するものであり、これに関しては諸分野の中での個別な研究はあるものの、微分位相幾何学的立場からの統一的な視点はなかったように思われる。本研究では、この双方について微分位相幾何学的な考察を行った。まず、横断的な幾何構造に関しては、横断的アフィン葉層の場合に既に得ていた結果を拡張し、横断的射影葉層に対してその大域ホロノミ-群と葉層の位相的性質との関連を明らかにした。次に、葉に接する幾何機造に関しては、第一に接アフィン葉層を考察した。これは、例えば、シンプレクティック多様体上のラグランジュ葉層に自然に入っている構造である。本研究では、ト-ラス上の接アフィンの葉層に対して、その上の接アフィン関数全体のなす空間を決定した。第二に複素曲面内のレヴィ平坦な実超曲面(これは接複素葉層をもつ)が満たすべき位相幾何学的性質を研究した。今後、この線に沿った結果を接幾何構造を持った葉層一般に対しても出していきたい。以上の研究に際し、分担者からの多様体の幾何構造や複素解析や群表現等についての情報と、国内の研究者との研究連絡が大いに役立ったことを付記する。
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