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1990 年度 実績報告書

数論的関数の解析表示

研究課題

研究課題/領域番号 02640039
研究機関名古屋大学

研究代表者

久保田 富雄  名古屋大学, 理学部, 教授 (40022511)

研究分担者 三宅 克哉  名古屋大学, 教養部, 教授 (20023632)
横井 英夫  名古屋大学, 教養部, 教授 (50023560)
谷川 好男  名古屋大学, 理学部, 講師 (50109261)
北岡 良之  名古屋大学, 理学部, 教授 (40022686)
森川 寿  名古屋大学, 理学部, 教授 (00022509)
キーワード数論的関数 / 保型形式 / ゼ-タ関数 / 無限次行列
研究概要

研究は当初の目的を十分に達成することができた。新しく得られた知見のうち主要なものは,研究代表者によって得られた保型形式と無限次行列との関係である。1915年頃ヒルベルトとポリヤはリ-マンのゼ-タ関数の零点はある種の作用素の固有値によって解釈されるのではないかという想像を述べたといわれる。作用素と無限次行列は同じようなものであるから,彼等はリ-マンのゼ-タ関数の特性が,何らかの形で無限次行列に反映しているのではないかという感触を表明したともいえる。しかし実際には彼等自身によって書かれた文献があるわけではなく,またその後その方向における具体的な進展もほとんどなく,多少関連があると見なし得るものとして,保型形式と不変作用素や表現論を結合させた理論が近年比較的活発な一分野をなしている程度であった。本研究では,保型形式のフ-リエ係数を成分とする無限次ベクトルが,ある種の特殊関数の値によって作られた無限次行列の零化ベクトルの形ですべて得られることを示し,同様の方法がリ-マンのゼ-タ関数の零点を求めるためにも有効であることを示したもので,上記ヒルベルトーポリヤの発想に全く新しい具体化の道を与えたものである。数論的関数の解析表示という問題は,非常に広大なものであるが,本研究はフ-リエ係数を数論的関数と見た場合について,相当な進展をもたらしたということができる。なお,分担者らはそれぞれの専門分野において,リストにあげられたような研究結果を得た。それらは,主として,2次形式,保型形式,および代数体に関するものであるが,いずれも本研究の結果を更に一般化するために,重要な情報を与えるものである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 久保田 富雄: "保型形式と無限次行列" 未定.

  • [文献書誌] 北岡 良之: "A note on representation of positive definite binary quadratic forms by positive definite quadratic forms of 6 variables" Acta Arithmetica. 54. 317-322 (1990)

  • [文献書誌] 北岡 良之: "A note on Klingen's Eisenstein series" Abh.Math.Sem.Univ.Hamburg. 60. 95-114 (1990)

  • [文献書誌] 谷川 好男(秋山茂樹と共著): "The Selberg trace formula for modular correspondences" Nagoya Math.Journ.117. 93-123 (1990)

  • [文献書誌] 横井 英夫: "The fundamental unit and bounds for class number of real quadratic fields" 名古屋大学教養部数学教室プレプリント・シリ-ズ. (1991)

  • [文献書誌] 三宅 克哉: "The arithmetic structure of the Galois group of the maximal nilpotent extension of an algebraic number field" Proc.Japan Acad.

  • [文献書誌] 北岡 良之: "Integral theory of quadratic forms" Cambridge Univ Press,

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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