研究概要 |
テ-タ関数における様々な古典的な結果を現代的な手法で見直すのが目的であった。Thetanullwert の消えるlocusは幾何的に興味深く、前世紀より研究されて来ているが、最近ではmumforolによる超楕円曲線のモジュライの特徴づけをThetanullwerteの消え方で行うものがあった。この特徴づけはスキ-ム論的な所までは行っておらず、その意味ではさらに追求されるべきものであったが、種数4まではスキ-ム論的にも十分であること、また種数が4より大きいときは埋没因子を除けばやはりスキ-ム論的に良いことを示した。この余分な埋没因子は多分ないものと思われるが研究は今後に待たれる。この結果により、井草によるSchottky問題の解答の別証明を得た。またPringskeim,Schottkyによるthetanullwerteの消え方に関するある結果にスキ-ム論的な証明を与えた。またレベルをあげた場合の超楕円曲線のモジュライの個数に関する計算をコンピュ-タを用いて具体的に行った。また、この研究の副産物として、2次のジ-ゲルモジュラ-空間において,Thetanullwertの零のlociが無限にあることは,この場合ジ-ゲルモジュラ-群に対し今までに知られている以外の保型因子が取れることを意味しているのに気づいた。この2次のジ-ゲルモジュラ-空間においては計算が難しく,しかし同様の現象が2次のヒルベルトモジュラ-にも起こっており、この場合の新しい保型関数論の可能性を現在計算で確かめている。この方面の研究は今後が期待されると思う。 また整数論の方面においては、テ-タ関数を用いて菅野により厚みのある仕事がなされた。また表現論,幾何のそれぞれにおいて、脇本、辻により重要な貢献がなされた。
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