研究分担者 |
上 正明 京都大学, 教養部, 助教授 (80134443)
上田 哲生 京都大学, 教養部, 助教授 (10127053)
山内 正敏 京都大学, 教養部, 助教授 (30022651)
斉藤 裕 京都大学, 教養部, 助教授 (20025464)
鈴木 敏 京都大学, 教養部, 教授 (60026739)
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研究概要 |
これまでの研究の結果をさらに進展させて,コンパクトシンプレクテイック多様体上の概Kahler構造のなす,無限次元エルミ-ト対称空間Cの幾何学的構造の詳細な研究を行った.特に,極値的(extremal)なコンパクトケ-ラ-多様体のモジュライ空間と関連した普遍的な対象ー例えば,ケ-ラ-計量及びそのポテンシャル(ベルグマン核関数),自然な直線束とその上のキレン計量,またC上の普遍族の微分幾何学的構造等ーがこの空間上で群論的な構成法を許す事を示し,さらに,これが無限次元のモ-メント写像を通じ,一般のextremalケ-ラ-多様体の変形論といかに結びつくか,その機構を明らかにしたー例えば変形論における調和形式の空間のモ-メント写像の一般論からの解釈等. しかし,以上の研究方向では究極の目標にはやや距離がある事に鑑みて,同じモジュライ問題でやや近づき易い,コンパクトケ-ラ-多様体上の主ヒッグス束のモジュライ問題を研究した.これに関し,モジュライ空間が一般に解析空間の構造を持つ事を示し,さらに主束が平坦である場合にはこれが,無限次元のハイパ-ケ-ラ-モ-メント写像を通して,ハイパ-ケ-ラ-空間の構造を持つ事を示した.さらに,その過程でケ-ラ-多様体上でも主ヒッグス束の圏で(準)安定性(stability)が遺伝する事を見いだした.また,非コンパクトケ-ラ-多様体上の対応する問題はさらに多くの新しい興味ある研究課題を含むことが理解されてきた.これにに関しても予備的な結果が得られている.
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