研究分担者 |
百瀬 文之 中央大学, 理工学部, 助教授 (80182187)
青木 一芳 中央大学, 理工学部, 助教授 (50055159)
松山 善男 中央大学, 理工学部, 教授 (70112753)
栗林 〓和 中央大学, 理工学部, 教授 (40055033)
岩野 正弘 中央大学, 理工学部, 教授 (70087013)
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研究概要 |
非線形楕円型偏微分方程式の粘性解の存在,一意性及びその応用について研究を行った。これまでに得られている結果の検討を行い,各地の専門研究者との研究打ち合わせを行い,さらに関連ある研究会等に参加しながら,研究を進めた。本年度における研究経過は次のようになる。 まず,無限次元ヒルベルト空間上における2階退化楕円型方程式に対する弱解の概念の定義とその存在,一意性について研究を行った。このような微分方程式は確率偏微分方程式によって系が記述された制御および微分ゲ-ムにおけるダイナミック・プログラミングの方程式を含むもので,この方面での一つの基本方程式である。今後の確率制御および微分ゲ-ムへの応用が期待される。また偏微分方程式の研究の一つの方向を示しており,継続した研究が期待される。次に,有限次元ユ-フリッド空間上における2階の非線形期化放物型方程式について弱解の存在と一意性についての研究を行った。ここで研究された方程式はパラメ-タ-を特別な値になると,伝染病流行の一つのモデル方程式であり,また別のパラメ-タ-の値においては多孔質媒質中の流体のモデル方程式と関連しているという2次の非線形項をもつ興味深い方程式である。この研究では,弱解に半優調和であることを要請してその存在と一意性を示した。さらに,ハミルトン・ヤコビ方程式に対する状態拘束境界値間題について研究した。これまでに連続な解が得られているような条件下で,不連続な解に対する比較定理を得ることに成功した。これにより,ペロンの方法で連続な解で構成できるよになった。
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