研究課題/領域番号 |
02640197
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
戎崎 俊一 東京大学, 教養学部, 助手 (10183021)
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研究分担者 |
川辺 幸子 (奥村 幸子) 東京大学, 教養学部, 助手 (20224842)
牧野 淳一郎 東京大学, 教養学部, 助手 (50229340)
杉本 大一郎 東京大学, 教養学部, 教授 (10022592)
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キーワード | 楕円銀河 / 専用計算機 / ブラックホ-ル / 銀河形成 |
研究概要 |
研究は順調に進展した。まず、GRAPEー1のクロック周波数を倍増することに成功した。その結果、ピ-ク計算速度も約240Mfopsとほぼ倍増した。次に住友電工のワ-クステ-ションUー300Tを購入し、GRAPEー1を接続した。システム全体としての実効速度は約200'Mfops相当に達していることを測定して確認した。これは、本研究遂行に十分な性能である。さらに、この計算システムを使い銀河の衝突実験を多数回行なった。計算時間はのべ1000時間に達した。その結果、楕円銀河が銀河同士の衝突・合体で作られたとする合体仮説を強く支持する次のような結果を得た。 まず、中心に巨大ブラックホ-ルを持つ銀河同士の衝突・合体を調べた。2つの巨大ブラックホ-ルは力学的まさつで次第にエネルギ-を失い中心に落込んでゆく。最後には重力波を放出しながら合体する。その過程で、中心付近にある小さな構造は全部粉砕される。また発生する重力エネルギ-により、中心部が温められて膨張する。これらの結果、ブラックホ-ルの質量と同程度の質量を持つ等温コアが形成されることがわかった。これは楕円銀河のコアの力学的構造とよく一致する。 次に、色々な衝突パラメ-タ-で銀河の衝突実験を行い、できた合体銀河の大局的な物理量、例えば、中心速度分散や最大回転速度などを調べた。これらは楕円銀河の観測デ-タとよく一致した。 このように、合体仮説で楕円銀河の力学的性質のほとんどをうまく説明できることがわかった。
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