科学衛星SOLARーAに塔載される勧X線望遠鏡は、1024x1204画素のCCDで太陽コロナ及び太陽フレアのX線画像を取得する。軟X線望遠鏡のデ-タ-処理システムは、膨大な画像デ-タセットから、1.必要とするデ-タを検索し、2.時間変化などの把握が可能なようにム-ビ-的に連続画像表示し、3.さらに詳細な画像解析がコマンドにより効率よく行える、必要がある。本年度は本研究費により光磁気デスクを整備し、昨年度開発のデ-タベ-ス生成プログラムと合わせて、小システムで極めて大量のデ-タを解析するシステムを完成させた。本システムは、大量の画像デ-タをデ-タベ-スの形で光磁気デスクに保存し、ワ-クステ-ションで自由にアクセスできることに大きな特徴がある。さらにデ-タベ-ス生成が容易であること、大量の画像デ-タを見通しよく収納し、かつ高速で検索する能力、画像デ-タへのアクセスの容易さ、必要にして充分な情報を持ち拡張性に富むヘッダファイルなどの点でたいへんすぐれている(=システムとして使いやすい)。 衛星は、91年夏に宇宙科学研究所により打ち上げられ、画期的なデ-タを取得しつつある。観測開始後、本システムを使用して軟X画像のデ-タ解析を開始した。本システムが事前に整備されていたため、デ-タの詳細チェック、観測モ-ドへのフィ-ドバックをすみやかに行うことができ、試験観測を極めて効率良く行うことができた。従来衛星実験の初期解析には、観測を開始してからかなりの時間がかかるのが実情であったが、今回は観測とほぼ同時にリフォ-マットされたデ-タがつくられ、大幅な作業の迅速化が計られた。「ようこう」の初期成果を報道する新聞等の記事に見られる軟X線太陽像は、本システムにより作成されたものである。今後、本システムを使用して詳細な解析を行っていく予定である。
|