研究概要 |
本研究は天文学の総合的な画像解析システムの確立を目指す. 1.世界の天体画像解析システムについて,現状調査を行った.とくにMIDASについては,1990年8月に独ミュンヘンのヨ-ロッパ南天天文台を西村が訪問して,実地に調査を行った.その結果,米キットピ-ク国立天文台で開発が進められているIRAFが,多少の難点はあるものの,最も将来性・国際協力の可能性が高いと判断するに至った. 2.IRAFを国立天文台天文学デ-タ解析計算センタ-のワ-クステ-ション群上に移植して.使用環境を整備し,ユ-ザの試用を推進した. 3.国内各地の天文学研究機関でIRAFを導入する動きが進展したため,“IRAF担当者会"と称する研究連絡会議を5回にわたって開き,使用環境の統一,使用の普及,経験の交流に努めた.市川はその世話人を務めた. 4.大学院生らの協力を得て,初心者用マニュアル,国内各観測所の観測装置ごとにデ-タ解析の標準手法の解説書(通称クックブック)の編纂を進めている. 5.東大木曾観測所で開発された表面測光ソフトウェアSPIRALを,IRAFシステム上に移植し,統合する作業を進めつつある.IRAFは表面測光デ-タの処理能力に劣るところがあるので,IRAFにない機能をSPIRALから選択的に移行させる. 6.光磁気ディスク装置をワ-クステ-ションシステムに設置したので(経常費),赤外観測衛星IRASの画像デ-タをこの上に蓄積して,画像デ-タベ-スを構築する準備を進めている.
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