研究概要 |
1.秋葉は,スファレロンの周りの場の揺らぎについての研究を継続した.特に,離散スペクトルに属する揺らぎの固有モードの数を特定するのに有効な一般化化されたLevinson定理を導き,また,それを応用して興味ある結果を得た.研究成果はProg.Theor.Phys.誌に発表した(黒岩,柿崎と共著).また,国際シンポジウムISQM-TOKYO'92や日本物理学会1992年秋の分科会で発表した. 2.二間瀬は,重力場内での非可換ゲージ場に対するスファレロン解を求め,それによってボゾン星の構造を説明しようと試みた.研究成果を,Proceeding of the Workshop on General relativity and Gravitation(1992年)に発表した(神と共同研究). 3.柳田は,宇宙のバリオン数非対称性とスファレロン効果とから生じるニュートリノ質量に対する制限について,研究を継続した.特に,一般には強い制限が付くにも拘らず,17kev程度の比較的大きい質量をもつニュートリノが存在し得る可能性を指摘した.研究成果をPhys.Lett.B誌に発表した(G.Gelminiと共著).また,同様な観点からextennded gauge模型を分析し,模型の問題点を明らかにした(W.Buchmullerと共同研究,プレプリントDESY 92-172,Dec.1992). 柳田は,また,超対称GUT模型に基づいて宇宙のバリオン数非対称性の起源を説明することを試みた(村山,鈴木,横山と共同研究,プレプリントTU-423,Nov.1992).
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