研究課題/領域番号 |
02640211
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小山田 正幸 東北大学, 理学部, 助教授 (90004358)
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研究分担者 |
中里 俊晴 東北大学, 理学部, 助手 (00172289)
浦澤 茂一 東北大学, 理学部, 助手 (80004381)
菅原 真澄 東北大学, 理学部, 教授 (30004287)
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キーワード | バンチ / コヒ-レント放射光 / バンチャ / ライナック / ビ-ムチョッパ |
研究概要 |
本研究で今年度得られた研究成果は以下のとおりである。 1)ライナックの電子銃から発生する電子がプリバンチャ・バンチャによって集群され、バンチ構造が形成される過程のシミュレ-ションを行なった。この結果、ビ-ムチョッパで電子銃からの電子を、加速RF位相で40゚程度の長さに切取れば、プリバンチャ・バンチャによって長さ約0.2mmの短いバンチが得られることがわかった。 2)ビ-ムチョッパのデフレクタ空洞は周波数をライナックの加速周波数と同じ2856MHzに、形状を矩形に設計し無酸素銅で製作した。ライナックの加速管と同様の温度調節をすることにより、安定に動作することがわかった。ビ-ム試験の結果、設計どうりビ-ムが横方向に振られていることが確認された。 3)ビ-ム軌道計算により5台の四極電磁石からなる収束系の設計を行なった。四極電磁石はパノフスキ-型のものを製作し、ほぼ設計どうりの磁場性能が得られた。 4)総合的なビ-ム試験を行なった結果、チョッパ部を通過するビ-ムの透過率が約10%であった。この原因は、電子銃のエミッタンスが予想よりも大きかったためである。このため、電子銃・プリバンチャ・バンチャ部で電子を収束させるソレノイド磁場を大きくする必要があり、その漏洩磁場がチョッパに影響を与えていることが分かった。 今後、実用化するために必要な事項は、(1)電子銃のエミッタンスの改善、(2)漏洩磁場がビ-ム軌道に与える影響の計算、(3)磁気シ-トの強化、である。
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