| 研究課題/領域番号 |
02640212
|
|---|
| 研究機関 | 東北大学 |
|---|
研究代表者 |
江沢 潤一 東北大学, 理学部, 助教授 (90133925)
|
|---|
| 研究分担者 |
岡田 安弘 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (20212334)
吉村 太彦 東北大学, 理学部, 教授 (70108447)
|
|---|
| キーワード | 超弦 / 位相的励起 / 分数統計 / 量子ホール状態 / ジョセフソン効果 / 大統一理論 / 重力崩壊 / 超重力理論 |
|---|
| 研究概要 |
当研究課題の基に行った研究の具体的成果は以下の様である。
(1)リーマン面上のエニオンの場の理論とホール状態
江澤は昨年に引き続いて、リーマン面上でのエニオンの研究を行った。エニオンは分数統計をもつ粒子であり平面上でのみ存在可能である。エニオンの統計反発力を取り入れた場の理論を構成し、物理的対象である平面電子系の解析を行った。その結果、ホール状態及び位相的励起(エニオン)状態の波動関数を理論的に初めて導出した。
同様の解析を2層電子系に対しても行ったが、その成果には目覚ましいものがある。即ち、特定の物理的条件の基に、二層間にJosephson効果が見えるはずである、という結論を得た。この予言が重要であるのは、まず第一に、強磁場中の半導体系に新しいタイプの超伝導現象(Josephson効果)が可能である、と言うことを示しているからである。更に、興味あるのはJosephson効果の観測によってCooper pair 2eではない素電荷eの凝縮の存在を実験的に証明できるからである。
(2)2次元時空の重力理論
超弦理論は重力理論に多くの示唆を与える。吉村は重力理論のプロトタイプとしての2次元理論を解析した。この研究で提唱した模型は半古典的に量子化可能であり、かつ可解であるので、重力崩壊の具体的な描像を得る事ができた。
(3)超重力理論におけるヒッグス粒子
超弦理論はその低エネルギー極限として、超重力や超対称な統一理論を与える。これらの統一理論に立脚して現象論的にどの様な事が結論されるのかは、極めて重要な課題である。岡田は、昨年に引き続いて、トップクオーク及びそのスカラーパートナーによるループ効果から、ヒッグス粒子の質量のうける量子補正を詳しく解析した。
|
