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1990 年度 実績報告書

高速回転核の変形と内部対称性

研究課題

研究課題/領域番号 02640214
研究機関東京大学

研究代表者

大西 直毅  東京大学, 教養学部, 教授 (30016068)

研究分担者 池田 秋津  静岡理工科大学, 教授 (40016126)
田嶋 直樹  東京大学, 教養学部, 助手 (50212030)
寺澤 徳雄  東京大学, 教養学部, 教授 (70012292)
キーワードNuclear Rotation / 原子核の回転 / 内部対称性 / 指標逆転現象 / Signatnre Inversion / ガンマ変形と慣性主軸 / マイスナ-効果と慣性能率
研究概要

原子核の回転運動で最も大切な量の一つは慣性能率で、とくに四重極変形の主軸と慣性主軸の関係はとくに興味がある課題を提供する。当研究課題である高速回転核の変形と内部対称性はこの課題と深い関係にあって、変形の非軸対称性と指標の異なるバンドのエネルギ-のずれは、回転整列のしかたを通して上述の関係についての重要な情報を与えるものと考えられる。その典型的なものとして指標逆転現象が挙げられる。
当研究課題で今期、高スピンでの指標逆転を説明するため、いくつかの模型による計算がなされ、いくつかの際立った結論が導かれた。回転振動模型を、強結合基底を使って、陽子の侵入軌道の粒子と回転振動系の相互作用を取り扱った。回転ーガンマ振動の結合を局所回転のない渦無し流体模型から得られる慣性能率の非軸対称パラメタ-の依存性から導かられるものを使うと、指標逆転は再現されないが、意図的にその符号を変えると、指標逆転が現れる結果が得られた。しかも、基底バンドには現れないで、回転整列バンドに現れることが特徴的で、実験事実と符合する。侵入軌道に関係した簡単な配位を考える限り、意図的な符号の反転する以外指標逆転現象を再現はほとんど不可能と考えられる。しかし、この意図的な符号の逆転は、核マイスナ-効果のある量子流体では物理的には多少不自然なところがあり、渦糸を考慮した流体の回転運動も研究しなければならない。
一方、粒子一回転結合模型を使って、芯の非軸対称の四重極変形と三軸非対称な主慣性能率での主軸の取り替えをおこなった場合も、指標逆転が現れるが、おおくの配位を考慮にいれると、指標逆転を消失してしまう。このように、指標逆転現象の再現には、不安定なものがあり、今後の詳細な研究が待たれる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Gen Tatara: "The Imaginary Part of ChannelーCoupling Potentials for LiーInduced Reactions" Progress of Theoretical Physics. 83. 552-564 (1990)

  • [文献書誌] Naoki Tajima: "Is the signature Inversion of Energy Levels due to the ーdegree of freedom?" Nuclear Physics. A520. 317c-324c (1990)

  • [文献書誌] Akitsu Ikeda: "Anomalous SignatureーDependence of Rotational Bands in oddーA Nuclei Explained in Terms of Vibration" Physical Review. C42. 149 (1990)

  • [文献書誌] Naoki Onishi: "Periodic Solutions of TimeーDependent HartreeーFock Method"

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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