研究課題/領域番号 |
02640214
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大西 直毅 東京大学, 教養学部, 教授 (30016068)
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研究分担者 |
池田 秋津 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (40016126)
田嶋 直樹 東京大学, 教養学部, 助手 (50212030)
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キーワード | 非線形系の量子化 / ワブリング運動 / 三次元回転 / 周期解 / 生成座標の方法 / 非断熱効果 / 異変形状態共存 / 反跳効果 |
研究概要 |
孤立系の時間に依存するハートレーフォック法(TDHF)では角運動量の大きさが量子化でき、内部運動はWobbling運動と変形振動などの運動で書けることがわかった。この方法をγ-soft-rotorに応用したところ非常に興味ある事実が判明した。Wobbling運動とγ振動は4次元の位相空間をなしているが、その運動はケプラー運動と同じように、内部運動はどんな初期条件でも、全ての解が周期的であり、解が2種類のファミリーに分類できることがわかった。これは古典力学としても非常に興味のある結果となった。このことによって、古典的量子化が完全にでき、エネルギー・スペクトルが量子論のものと準古典近似の範囲で一致することが判明した。 計算機の進歩とハートレ・フォック・ボゴリユウボフの結果の信頼性が増したことによって、生成座標の方法(GCM)の計算がより現実性を持つことになった。GCMにおいてハミルトニアンを含む色々な演算子のことなるRCS状態間の行列を計算するとき重なりの積分で割算できる簡便な公式が使われてきたが、2準粒子励起などのように異なる状態間の重なり積分が0または0に限りなく小さくなった場合その簡便な公式が使えなくなる。ゲージ角を導入しそのような場合では一般化されたWickの方法で求められた各項が発散しても、その和が有限に留まることが示せ、その困難を回避できる計算法を見つけた。この計算法を使って、変形が非常に異なる状態が共存している原子核の動力学をGCMを使って計算し、中性子の少ない鉛同位元素の非断熱効果を調べ興味ある結果が得られた。 回転の強結合模型には粒子の回転に対する反跳効果による二体相関があらわれるが、大きい角運動量を持った中性子および陽子が関与するハサミモードでは、この反跳効果が非常に重要であることがわかった。
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