1.前年度は、数値的に状態方程式を求めることを試みたが、Lancoz法などの厳密なハミルトニアンの対角化では計算時間および記憶容量が多量に必要であることが判明したので、今年度は3体の分配関数を半古典的に求めることを試みた。2体に比べ3体の分配関数のtraceは複雑であるが、ここでは4次元の超球面座標系で書かれた射影演予子を用いることにより、対称群の既約表現の空間の上でのみtraceを取ることができる。 2.トポロジカルに自明でない空間の上におけるエニオンの多体問題を研究した。組み紐群による解析によると、円筒の上ではエニオンの統計パラメタは量子化されるという結果が得られているが、我々は子の問題を、エニオンの波動関数の一意性という見地から研究した。その結果、波動関数は、認意の統計パラメタにたいして予盾なく定義されることを示した。この結果の不一致については現在研究中である。また我々は、エニオン多体系の厳密解についても研究した。現在ある種の2体相互作用を導入することにより3体波動関数を正確に求める可能性を追求している。 3.場の理論において、エニオンはChernーSimonsーHiggsゲ-ジ理論の渦系として実現される。したがって一般の系における渦糸の構造を研究することは非常に重要である。我々は前年度、トポロジカルな励起のある系の自由エネルギ-の任意の温度における展開を開発したが、今年度はこの手法を用いて、第2種超伝導体における渦糸の構造を調べた。その結果、Tcより下の温度では、渦糸のコア-・サイズはGinzburg Landauの値よりも小さくなることを見出した。現在ChernーSimonsーHiggs系における渦糸への応用を実行している。
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