平成2年度の研究テ-マのひとつであった非ユニタリ-なCoulomb gas表現を許す超場形成を使ってVertexoperatorsを構成することを本年度前半に試みたが、超場形成に基づく構成は難しいことが判明した。そこで視点を変え超場形成をひとまず離れて(これは後で組み込むことが可能なはずである)、ともかく、N=4の超共形代数のCoulomb gas表現を構成することを試み、見事にそれに成功した。 更に、このCoulmb gas表現を使って、N=4超共形代数の表現論の考察及びKac行列式の厳密証明に必要なカイラル及び非カイラルなScreening operatorsを全て同定した。この成果に基づいたN=4のKac行列式の厳密証明は今後の研究テ-マである。 本年度は、以上の研究実積をあげるため、9月に当核研究者(松田)の研究室の植松助教授・青山助教授と共に北大理に出張し、「N=4超共形代数」(松田)・「サイン・ゴ-ドン方程式」(植松)・「スファレロン」(青山)等についての研究討論・打ち合わせをそれぞれ行った。11月には広大理に出張し、また、11月末に高エネルギ-研究所に松田・青山共ども出張し、「超共形代数の遮蔽演算子の構成」(松田)・摂動効果と非摂動効果の関連」(青山)についての研究討論を行った。その成果は、2次元超弦模型の摂動的考察及びその共形対称性の研究に極めて有用であった。次いで2月には東北大理に出向き、「N=4超共形代数のCoulmb gas表現と遮蔽演算子」についてのこれまでの研究成果の情報交換と議論をした。 また、当核研究の初年度研究実施計画の一部として購入したラップトップコンピュ-タ-は、研究遂行に充分役立っている。
|