平成2年度・3年度の研究計画・方法により、またその研究成果によって、SU(2)Kac-Moody代数を含むN=4超共形代数の非ユニタリーな表現を許すCoulomb gas (Feigin-Fuchs)表現の構築に成功した。平成4年度は、その成果を受けて研究を更に発展させた。 すなわち、N=4の Coulomb gas表示の Vertex operatorsを構成し、N=4代数の表現論の展開に是非とも必要なカイラルおよび非カイラルな Screening operatorsを全て同定することに成功した。 これによりN=4 Kac行列式の厳密証明を試みる基盤が得られた。 これらの成果から、 N=4代数の表現論におけるBRS cohomologyの研究も進めて来た。 更に、 当該研究との連関において、背後に2次元高度対称性を共通の性質とする可解模型・2次元量子重力等の研究も、新しい展開を期待して押し進めてきた。 これらの研究遂行において、物理・数学の研究者との研究成果交換・研究討論を積極的に実行した。本年度は、7月に高エネルギー研究所に出張し「量子重力の数学的方法」について討論、9月に東北大理に出張し「N=4超共形代数の表現論」について研究・討論、10月に富山大理に出張し「N=4特異ベクトル構築」について研究・討論、12月には東大理で「量子重力の数学的方法」について討論、学習院大理で「共形代数」について研究討論・打ち合わせ、東大教養で「BRST作用素」について討論・研究打ち合わせ、等をそれぞれ実行した。今年1月には東大理に出張し「量子重力における超共形代数の表現論」について討論、また東大教養で「量子重力」について討論した。これらの研究成果は、平成2・3年度の研究成果と共に、科学研究費補助金研究成果報告書にまとめた。
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