研究概要 |
この一年のうちに、2次元重力理論、共形場の理論、超弦理論、可積分系理論、可解統計理論は互いに深く関係し、一つの大きな枠の中に組込まれていることがますます明らかになってきている。従って、当研究が始めに目指していた可積分系と超弦理論との間の関係を明らかにする研究も自ら他の研究と関連させながら進めることになる。従来の可解系としての議論に止まらず、それを変形した理論に拡張して提える時に、全体がより明らかになってくる。今年度はこのような理論の急展開に対応するべく、当初は来年度に予定していた研究会を一年繰り上げ、“可解系の変形理論"をテ-マに、平成3年7月10,11の両日、都立大学国際交流会館に於て、国内外の研究者を集めて行った。研究会には国内滞在中の4名の外国人を含め10の講演があり、80人前後の出席者があって有益な討論を行った。この研究会を通して明らかになったことは、まず一つは、互いに関連している上記諸問題の数学的基礎となっているホップ代数的な構造と、その上に定義される量子群の考え方の重要性であり、他の一つは、これらの問題を総合的に提えようとする時、単に可解な形の系としてではなく、非線形な問題一般に関わる現象として考察することの重要性である。以上の観点から、今年度の研究は主に可積分系及び超弦理論を量子群に拡げる為の無矛盾な計算方法を確立することに費やされた。超弦場の理論を作る基礎となるべき量子群論的に変形された弦相互作用の三点関数演算子について、現在論文を準備中である。
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