研究概要 |
1.熱ルミネッセンスの空間分布の一様性について,アルバイト,マイクロクリン,アマゾナイト,正長石の2次元のパタ-ンを調べた。温度50℃より400℃の範囲で,発光強度の空間分布は自然放射能照射によるものも,人工照射によるものも,ほとんど一様である。 2.熱ルミネッセンス強度の温度依存性については,自然放射能照射によるものはいずれも220℃から280℃の間にピ-クをもち,200℃から300℃まで拡がるパタ-ンをもつ。20.9KradのX線照射によるものはより低温側で,110℃から160℃の間にピ-クをもつパタ-ンを示す。このピ-クは鉱物の種類によって多少の違いがあり,マイクロクリン及びアマゾナイトのピ-クはアルバイト及び正長石のそれより50℃程度低温側にある。 3.ピ-クの減衰とスペクトルについてはアルバイトをくわしく測定した。 (1)温度依存性。X線1.5KR照射直後には,80℃及び140℃に構造をもつ巾の広いパタ-ンがあらわれる。低温側の構造は速に減少し,照射後49時間ではピ-クを示さない。高温側の構造は減衰がおそく,330時間後もあまり減らない。その結果この構造は時間とともに減少するとともに,極大の位置は高温側にずれる。他方,自然放射能照射によるパタ-ンは約200℃から出現し,220℃付近及び300℃付近にわずかな極大をもつ巾の広い構造を示している。 (2)スペクトル。X線1.5KR照射後46時間では,温度110℃及び145℃において、275nm及び410nmの2つの構造をもつ。強度は前者が約1桁強く,相対強度は2つの温度でほとんどかわらない。
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