研究課題/領域番号 |
02640245
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
澤田 安樹 東北大学, 理学部, 助教授 (90115577)
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研究分担者 |
小松原 武美 東北大学, 理学部, 教授 (80004331)
伊豆山 健夫 東京大学, 教養学部, 教授 (10012288)
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キーワード | 固体^3He、 / 核スピン、 / 交換相互作用、 / 一次相転移、 / スピン波、 / 定積圧力、 / 核磁気秩序、 / 核断熱 / 消磁装置、 |
研究概要 |
立方対称のbcc固体3Heは核スピン1/2をもち、最も単純な磁性体の典型的な系として注目されてきた。しかし、実験から明らかになってきた磁気的な振舞いは、予想に反して極めて複雑で興味深いものであった。理論的には、固体^3Heの中では、電子系で一般的な二体の交換相互作用の他に、三体、四体などの多体交換相互作用が大きな役割をしていると考えられている。これまでに、核帯磁率、核磁気秩序状態におけるNMR、圧力、比熱測定など重要な知見の蓄積が行われ、低磁場秩序相と高磁場秩序相の二種類の秩序相があることが明らかになっている。我々もこれまで高磁場秩序相と常磁性相間の相転移の次数を確定するために、磁場中での融解圧力の測定を行ってきた。その結果、一次相転移を示す低磁場秩序相を囲む三重点付近の相線の勾配を調べた所、三重点の両側で勾配に差があり、高磁場秩序相から常磁性相への転移は一次相転移であることを示した。しかし、この結果は間接的に一次転移を説明するもので、より直接的な実験を必要とした。 従って我々は、一次転移にともないとぶことが期待できる定積圧力の測定を行い、磁場掃引によって転移の次数の決定を試みた。その結果、初めて相転移にともなう圧力のとびが観測され、世界で初めて一次相転移であることが証明された。低磁場秩序相と高磁場秩序相間の相線を磁場掃引によって確定し、臨界磁場が温度の4乗に比例する結果を得た。両相内では、反強磁性スピン波が主要な励起子であり、両相間では単にスペクトルのわずかな相違があるのみであることを示している。一方、低磁場秩序相と常磁性相間の相線は、両相の磁場による自由エネルギ-の変化によって決まり、臨界磁界は臨界温度の変化の平方根に比例することが明らかになった。
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