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1990 年度 実績報告書

電子スピン共鳴による重フェルミオン状態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02640249
研究機関宮城教育大学

研究代表者

千葉 芳明  宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (40113881)

研究分担者 伊達 宗行  大阪大学, 理学部, 教授 (80028076)
キーワード電子スピン共鳴 / 反強磁性共鳴 / Nd_2CuO_4 / gシフト / Staggered Field
研究概要

1.ESRの研究
1)Nd_2CuO_2のESR
a)重フェルミオン物質と同様な強い電子相関をもつ高温超伝導物質Nd_<2ーX>Ce_XCuO_4の母結晶のESRを調べた.その結果,30K以下で非常にブロ-ドなスペクトルを発見した.これはNdスピンによるもので10K以下になるとg値が異常に減少し異方性が現れることを見いだした.10K以上の温度ではgの値は一定(0.85)で等方的であった.この値はNdの自由イオンの値に近い.また,10K以下で現れる異方性は[110]対称軸にもつ.これらの結果から,異常なgシフトはNdスピンによるものであることを明らかにした.
[J.Phys.Soc.Jpn.59(1990)3019ー3020.]
b)阪大伊達グル-プの強磁場磁化過程の研究により,1T以下でスピンフロップ磁場が見いだされた.Ndは約6Tで飽和する.しかし,低温での飽和磁場付近でのRoundingは大きくNdスピンとCuスピンの相互作用が無視できないことが明らかとなった.
[J.Magn.Magn.Mat.90&91(1990)79ー80.]
c)その後の研究でこの相互作用はNdスピンに作用するCuのStaggered Fieldであることが判明した.これをもとに,Nd_2CuO_4のESRを統一的に見直すと,先に発見されたESRはNdーCuネットワ-ク中のNdスピンの反強磁性共鳴であることが判った.また,g値の異常なふるまいはNdサイトにおけるCuスピンのStaggered Fieldによるものであることが理解できた.
[J.Phys.Soc.Jpn.投稿中]
2.電気的性質の研究
購入したデジタルストレ-ジスコ-プやデジタルボルトメ-タを用いてパルス磁場下での電気抵抗測定装置を製作している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Kontani,Y.Chiba,K.Sugiyama and M.Date.: "Anomalous Electron Spin Resonance in Nd_2CuO_4O_4" J.Phys.Soc.Jpn.59. 3019-3020. (1990)

  • [文献書誌] O.Kondo,M,Ono,T.Yosida,N,Kontani,Y,Chiba,K.Sugiyama,A.Yamagisi,M,Hikita,Y,Hidak,M.Date.: "High Field Magnetization of Nd_2CuO_4" J.Magn.Magn.Mat.90&91. 79-80. (1990)

  • [文献書誌] K.Kindo,Y.Chiba,Y.Hidaka and M.Date:"Antiferromagnetic Resonance in Nd_2CuO_4" J.Phys.Soc.Jpn.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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