研究概要 |
1.Cubicペロブスカイト型構造をもつMn_4X(X=N,C)の常磁性状態における電子帯構造を自己無撞着APW法に基づいて計算した。得られた結果を用いてボンドオ-ダ-を求め原子間結合の様子を明らかにした。 Mn_4Nは低温でフェリ磁性を示す。即ち立方体の面心を占めるMnのモ-メントと角を占めるMnのモ-メントは逆向きで大きさが異なる。このような磁気構造に対応する電子帯構造を自己無撞着APW法に基づいて計算し、磁気モ-メントを求め実験とのよい一致を得た。 2.Cu_2Sb型金属間化合物M_2X(X=As,Sb)は単位胞に2種の金属イオンサイト、IーサイトとIIーサイトをもちCrやFeはIーサイトを占める。Cr_2As,CrMnAs,Mn_2As,MnFeAs,Fe_2Asの常磁性状態における電子帯構造を自己無撞着APW法で計算した。状態密度の結果からIーサイトを占めるM原子は広いバンドをIIーサイトを占めるM原子はむしろ狭いバンドを形成していることを見出した。このことからIIーサイトのd電子はIーサイトのそれに比べて遍歴性が弱くIIサイトの磁気モ-メントはIーサイトのそれより大きいことが期待される。 MnAlGeおよびMnGaGeはMnがIーサイトを占めIIーサイトは非磁性のAlで占められる。これらの物質はいずれも低温で強磁性となる。両物質の常磁性状態および強磁性状態のバンドを計算し、フェルミ面を求め、二次元性の強いことを見出した。まだ、強磁性バンドの結果を用いて磁気モ-メントを求め、実験値とよい一致を得た。
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