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1990 年度 実績報告書

磁性物質におけるスピン・軌道相互作用の役割

研究課題

研究課題/領域番号 02640262
研究機関鹿児島大学

研究代表者

石田 尚治  鹿児島大学, 理学部, 教授 (10041237)

研究分担者 藤井 伸平  鹿児島大学, 理学部, 助手 (90189994)
キーワードスピン軌道相互作用 / 磁気異方性 / Fe / Co / Ni / 磁化容易軸 / 電子構造
研究概要

本研究の目的の1つは複雑な磁気構造を持つ物質の電子構造を計算するためのプログラムを作制することである。そのためにはLSD近似とLMTO法を用いて数式化したハミルトニアンにスピン軌道相互作用を含め、構成原子の磁気モ-メントを任意の方向に向けれる様にプログラミングした。
その応用例として、またスピン軌道相互作用をどの程度バンド計算により評価できるかという試みの1つとして、Fe,Co,Niの磁気異方性エネルギ-を計算した。磁気モ-メントの方向NをCoに対してはC軸方向とC面内、FeとNiに対しては(001),(011),(111)の3方向を選び,それぞれの場合の全エネルギ-を計算し、それらの差から異方性エネルギ-を計算した。得られた結果は次のとうりである。
1、エネルギ-を計算する際に選ぶk点の数を1st Brillouin zone内で約5万点まで増していったが、異方性エネルギ-はk点の数に依存しなかなか収束しない。CoとNiに対しては実測値と同じオ-ダ-の計算値を得たが、Feに対しては符号が異った。3d遷移金属の異方特エネルギ-を求めるにはスビン軌道相互作用が小さいために、普通のバンド計算より3〜4桁高い精度が要求される。それ故に数値的に信頼できる値を得るには、現在用意したk点の100〜1000倍の数が必要であり、現在の計算機では無理である。
2、しかしE(k)曲線から磁化容易軸が理論的に予測可能であることが分かった。kー空間のある対称軸でスピン軌道相互作用λ\l=0とき縮退したレベルがあり、これがλ\l≠0のとき分離すれば、そのkの方向に磁化容易軸が現われる。

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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