研究概要 |
1)ニッケルヨウ素ボラサイトNi_3B_7O_<13>Iの低温における磁化,電気磁気効果を測定し,以下の点を明らかにした. (1)61K以下の低温相の磁気結晶族は,m'あるいはそれ以下である. (2)寄生強磁性モ-メントの方向は従来考えられていたものとことなり,斜方晶のb軸に平行である. (3)25K付近にも従来知られていなかった磁気相転移が存在する可能性がある. 2)EuMn_2O_5の低温における磁化,誘電率,電気磁気効果を測定し,以下の点を明らかにした. (1)EuMn_2O_5は40Kで非極性一極性相転移を示す.同時に反強磁性体となる. (2)EuMn_2O_5は20Kでもう一つの相転移を示す.この相転移も磁気的性質と深く関連するらしい. (3)以上の研究に関連して,GdMn_2O_5の単結晶をあらたに作成した. 3)交流磁場による磁化を精度よく検出する装置を開発した.また,電気磁気効果測定装置の精度を向上した.本年度補助金で購入したクライオスタットはこのために利用している. なお,以上の成果は日本物理学会で口頭発表したほか,論文2篇を執筆中である.
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