研究概要 |
1)GdMn_2O_5の低温における磁化,誘電率,電気磁気効果を測定し,以下の点を明らかにした。 (1)GdMn_2O_5は39Kで非極性ー極性相転を示す。 (2)GdMn_2O_5は26Kでもう一つの相転移を示す。この相転移も磁気的性質と深く関連する。 (3)GdMn_2O_5低温相の磁気対称性はm2m1'である。 (4)GdMn_2O_5低温相の電気磁気効果は極めて大きく,従来知られている最も大きい値に匹敵する。 2)EuMn_2O_5についての結果を分析し,低温相の磁気構造のモデルを作った。この結果は同形のREMn_2O_5についての中性子回折から推定される構造と異なっている。 3)BiMn_2O_5,DyMn_2O_5,YMn_2O_5,YbMn_2O_5についての同様の研究が進行中である。とくに,では強誘電性相転移と反強磁性相転移が同時に起こっている可能性が高い。 4)以前に発表した,微小交流磁化の測定法をさらに改良した。 以上の成果は日本物理学会で口頭発表したほか,論文2篇が掲載決定になっている。さらに,他の1篇を投稿中である。また,白鳥紀一,喜多英治両氏に協力して,電気磁気効果についての総合報告を分担執筆した。
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