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1990 年度 実績報告書

強誘電相転移におけるソフトフォノンモ-ドとソフト緩和モ-ドの共存と誘電分散

研究課題

研究課題/領域番号 02640267
研究機関金沢工業大学

研究代表者

堀岡 雅清  金沢工業大学, 工学部, 教授 (60064440)

研究分担者 新坂 恭士  金沢工業大学, 工学部, 助教授 (50016135)
阿部 隆治  金沢工業大学, 工学部, 教授 (90022962)
キーワード強誘電相転移 / ロッシェル塩 / 燐酸2水素カリ / 誘電分散 / 誘電緩和 / 誘電緩和時間 / ソフトモ-ド / マイクロ波誘電率
研究概要

本研究の目的は、現在学会で興味が持たれている強誘電体に対する誘電分散の実験から、これら物質の強誘電相転移の機構を明らかにすることである。現在までの成果を調書記載の研究計画の順番に従って報告する。
1.測定試料として、ロッシェル塩とKDP(リン酸2水素カリ)およびTSCCの単結晶を水溶液徐冷法(前の2物質)及び蒸発法(TSCC)により育成した。
2.ロッシェル塩に対する複素誘電率の実験を0.5GHz〜35GHzの周波数範囲、-170℃から室温の温度範囲で行った。
3.上記実験結果の解析から、キュ-リ温度(室温)近傍での緩和型モ-ドと低温(-80℃以下)での共鳴型モ-ドは、これらが観測された温度を結ぶ中間の温度で連続的に繋がっていることが分かった。しかし、両モ-ドは独立の存在であり、共鳴型モ-ドに比べ緩和型モ-ドの寄与は圧倒的に大きいと考えられる。これより、ロッシェル塩の相転移は、秩序ー無秩序型と考えてよいだろう。この推定をより確実にするには、より高い周波数75GHzでの精密な誘電率測定が必要である。現在、この測定を実施するため誘電率測定装置の調整を行なっている。
4.KDPに対するマイクロ領域での誘電分散の実験から、この物質の相転移は秩序ー無秩序型と結論された。
今後、上記実験の精密化を計るとともに、現在検討中の相転移モデルに基づきデ-タの検討を行ってゆきたい。なお、本研究に対する補助金交付の案内をいただいたのが平成2年10月であったため、実質の研究期間が5カ月足らずと短期間であった。このため、予定した研究の一部をし残すこととなったが、これは、今後積極的に行ってゆきたい。

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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