研究課題/領域番号 |
02640289
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
椎野 正寿 東京工業大学, 理学部, 助手 (60134813)
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研究分担者 |
深井 朋樹 東海大学, 工学部, 講師 (40218871)
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キーワード | アナログニュ-ラルネット / ホップフィ-ルドモデル / 記憶容量 / シグナルノイズ解析 / 非対称シナプス結合 / カオスニュ-ラルネット / 準安定状態数 |
研究概要 |
ニュ-ロン素子の出力が、アナログ値をとるアナログニュ-ラルネットにおいて、対称な場合を含め一般に非対称なシナプス結合をもつ場合のネットワ-クの様々な性質を、統計力学的及び非線形力学理論にもとづいて明らかにする研究を行ない、以下の結果を得ることができた。 1.シナプス結合にヘブの学習則をとり入れた自己想起型連想記憶モデル、いわゆるホップフィ-ルドモデルに対し、アナログニュ-ロンの入出力関係が一般の型をとる場合についても適用可能な記憶容量の算出方法を考案し、その正当性を確認した。新しい方法は、セルフコンシステントなシグナル・ノイズ解析(SCSNA)と呼ぶべきもので、対称シナプス結合の場合には、統計力学のレプリカ法によるものと同じ結果を与えるが、方法自体が極めて簡単で見透しのよいことが大きな特徴である。確率的な状態更新を行なう、イジングスピン型ボルツマンマシンの場合にもTAP方程式を利用することによりAGS理論の結果を容易に導びくことができるものである。 2.更に重要なことは、SCSNAはニュ-ラルネットがある種の非対称シナプス結合をもつ場合にも応用することができることであり、非対称ネットワ-クモデルを想定し、具体的にその記憶容量の解析を行なった。 3.対称なホップフィ-ルドモデルにつき、アナログネットとボルツマンマシンとの、記憶想起におけるスピュ-リアス状態出現に関する性能比較を行なった。 4.非対称シナプス結合のアナログニュ-ラルネットがカラム構造をとるモデルを考え、モデルのしめす結合振動子系としての同期一非同期現象の解析より、クリ-マンによるカオスニュ-ラルネットの情報処理機能について議論することが可能になった。
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