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1991 年度 実績報告書

水素原子による二倍高調波の発生

研究課題

研究課題/領域番号 02640290
研究機関電気通信大学

研究代表者

白田 耕藏  電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (80164771)

キーワード水素原子 / 二倍高調波 / 非線形光学 / 真空紫外 / 光イオン化
研究概要

中心対称性を持つ気体原子系では、強力なレ-ザ-光により種々の非線形過程が引き起こされるが、二倍高調波の発生は禁制であることが知られている。しかし実験的には二倍高調波は観測されることが多く、その機構は幾つかの提案はあるものの明確な結論は得られていなかった。本研究では、その機構を解明するため水素原子系の主量子数n=2ー1の遷移において実験および理論的解析を行なった。水素原子を試行原子に選ぶことにより、電気四重極遷移などの高次の効果の影響は無視できる。
今期において二倍高調波発生の機耕として強力なレ-ザ-光により引き起こされる光イオン化に伴い生ずる電場(Charge Separation Field CSF)により実効的に対称性が崩れることによるものであることを示すことができた。また外部から静電場をかけ、実効的なCSFを校正しCSFを直接測定することができた。また、光イオン化の際の電子、陽子の運動を電磁気学的に計算し発生するCSFを理論的に見積った。理論と実験に一致は十分良く、気体原子における二次の非線形過程についての問題を定量的に解決できた。尚、CSFを実験的に求めたのは本研究が最初の例である。
研究途上、極めて重要な事実が発見された。それは、DC電場下では二倍高調波発生を記述する非線形感受率は発生した光の伝播を記述する線形感受率とは全く異なる振る舞いを示し、双方に異なる量子干渉効果が生ずることである。この特徴は従来の非線形波長変換の困難を取り除きえる可能性を示すものである。また物理的には最近注目されている反転分布を持たないレ-ザ-作用と同一のものである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] K.Hakuta: "ElectricーFieldーInduced SecondーHarmonic Generation with Reduced Absorption in Atomic Hydrogen" Physical Review Letters. 66. 596-599 (1991)

  • [文献書誌] L.Marmet: "SecondーHarmonic Generation at Lymanーα in Atomic Hydrogen" Optics Letters. 16. 261-263 (1991)

  • [文献書誌] K.Hakuta: "Nonlinear Optical Generation with Reduced Absorption Using ElectricーField Coupling in Atomic Hydrogen" Physical Review(A).

  • [文献書誌] L.Marmet: "SecondーHarmonic Generation in Atomic Hydrogen Induced by a ChargeーSeparation Field" Journal of Optical Society of America(B).

  • [文献書誌] G.Z.Zhang: "Scanning Geometry for Broadly Tunable SingleーMode Pulsed dye Lasers" submitted to Optics Letters.

  • [文献書誌] 白田 耕藏: "反転分布の無いレ-ザ-の概念と原子の非線形光学" 日本物理学会誌. 47. (1992)

  • [文献書誌] K.Hakuta: "SecondーHarmonic Generation with Reduced Absorption in Atomic Hydrogen,in“Laser Spectroscopy X:Proceedings of Tenth International Conference on Laser Spectroscopy"" World Scientific Inc.Editor,M.Ducloy,

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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