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1990 年度 実績報告書

海洋フロント域の混合過程における二重拡散対流の影響

研究課題

研究課題/領域番号 02640315
研究機関東京水産大学

研究代表者

吉田 次郎  東京水産大学, 水産学部, 助手 (30174931)

研究分担者 長島 秀樹  理化学研究所, 地球科学研究室, 研究員 (10087570)
キーワード二重拡散貫入 / diffusive型境界面 / finger型境界面 / Colletive Instability / 潮汐フロント / リチャ-ドソン数 / エネルギ-逸散率 / 渦動拡散係数
研究概要

1.二重拡散貫入現象を支配する力学機構を調べる為に、室内実験を行った。実験は塩分で連続成層した水槽の中程の深さから、そのレベルの塩水の密度を持つ砂糖水を放出する形で行った。これは低温低塩に成層した領域に高温高塩な水塊が貫入することに相当する。実験は成層の強さN(バイサラ周波数)、放出砂糖水の密度アノマリ-B△Sを種々に変えて行った。その結果
(1)放出砂糖水は上部にdiffusive型境界面,下部にfinger型境界面を有しながら進行していくが、B△Sが大きくなると、幾つかの貫入層に分割することがわかった。これはStern(1969)のCollective Instability(集合不安定)の機構により、finger型境界面が崩壊するためと考えられる。
(2)貫入層の全層厚はB△Sが大きく、Nが小さくなると大きくなり、RuduickとTumer(1979)が得た厚さのスケ-ルに比例することがわかった。
(3)簡単な力学的モデルを考えることにより、貫入層は二重拡散対流によって生じる運動量の鉛直輸送による抑止力と生成される浮力とのバランスが成立しながら進行することが示された。
2.浅瀬に生じる潮汐フロントでの混合過程で調べるために、カナダ、ノヴァスコシア南方のジョ-ジス堆上での乱流構造デ-タの解析を行った。堆上では潮汐流の変化に応じて成層状態が顕著に変化し、成層が弱くなると底層付近に乱れの強い領域が現われてくる事がわかった。この領域は時間と共に上層に発展していくが、再び成層が強くなるに従い、漸次解消されていく。この領域はまた、リチャ-ドソン数Riが1/4より小さい領域とよく対応していた。そしてエネルギ-逸散率E,渦動拡散係数KpはRiが小さくなるにつれ大きくなる傾向を示した。これはPetersら(1988)が赤道域で得た乱流観測のデ-タとよい一致を示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 吉田 次郎: "海洋中の二重拡散対流" ながれ. 9. 93-114 (1990)

  • [文献書誌] H.R.Shin: "Detailed structure and water type distribution of the warm core ring 86ーB September 1987" DeepーSea Research.

  • [文献書誌] M.Nagasaka: "Double Diffusive intrusion into a cleusity gradient Supplementary experiment for Turner(1978)"

  • [文献書誌] J.Yoshida: "Turbulence structre at the Georges Bank tidal front"

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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