研究概要 |
1.昨年度にひき続き,局地循環モデルの一般的性質を見るため,二次元の局地循環モデルを使って計算領域の依存性およびメッシュスケ-ル依存性などを調べた.計算したモデルはできる限り単純化したが,非静水圧,非線形モデルを考えた。計算領域は水平125km(陸75km,海50km),高さ4kmとした.下部境界の温度は海側で一定,陸側では地表面温度の日変化をサイン関数で与えた. その結果次のことが分かった. (1)海風循環のスケ-ルは計算領域の大きさと関係が強い, (2)海風の最大風速は海陸の広がり50kmを越えれば大体一定になる, (3)上昇流の最大値は水平メッシュの大きさと関係が深い, (4)水平メッシュを大きくすることは下部境界温度のコントラストを弱める効果とピ-ク値を均してしまう効果の2つがある. 2.雲物理過程を考慮した一次元モデルを作成し,初期比湿,及び温位の分布から雲粒・雨粒への発達をある程度再現できた.しかし一次元モデルでは,降水セルの発達により補償流や雲の内部の空気との混合を通して回りの大気の状態が変わることが考慮できないほどの欠点を持ち境界条件も人為的になる.従ってモデルは二次元以上である必要がある.現在積雲対流の二次元数値モデルの作成中である.その中で側壁の境界条件の違いによる流れの影響,渦輸送過程の表現,雲物理過程の表現などの計算モデルとしての表現のスキルネスを検討しており,従来用いられている降水のある積雲モデルとの比較も今後行いたい.
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