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1991 年度 実績報告書

準安定電子励起状態にある分子の広領域近赤外レ-ザ-分光

研究課題

研究課題/領域番号 02640331
研究機関東京大学

研究代表者

金森 英人  東京大学, 工学部, 講師 (00204545)

キーワード近赤外レ-ザ-分光 / 準安定電子励起状態 / 光ー光二重共鳴 / 前期解離過程 / 時間分解分光法
研究概要

本研究では近年開発された半導体レ-ザ-を用いて、近赤外領域の広い範囲に渡る高分解能高感度分光系を製作し、レ-ザ-分光の研究領域を今まで未開拓であった近赤外領域へ拡張した。具体的には気相分子の励起電子状態間の遷移を観測することによって、以下の研究を行なった。
○分子の準安定電子励起状態の分光
0.8μm領域にあるCO分子の三重項準安定状態からの電子遷移 ^3Δー ^3Πを検出し、その高分解能スペクトルを解析することによって ^3Δ状態の複雑な摂動を解明した。解析の結果得られた電子状態の固有関数を用いてこの状態の特異的な電子遷移強度、Δ状態のΛ型二重項分裂、gー因子等を説明した。
○二原子分子の解離ダイナミクス
N_2分子のリドベルグ電子励起状態の振動励起準位において、回転量子数に依存する吸収線幅の増大を観測した。解離過程における電子、振動、回転の効果を明確にするためより高い振動状態の検出を試みた結果、線幅の増大は回転量子数の二乗に比例し、また振動励起によって著しく促進されることを見い出した。
○反応緩和過程の追跡
パルス放電と時間分解分光法の特色を生かし、N_2分子の準安定状態の振動緩和や反応過程を研究した。吸収線の過渡吸収スペクトルは分子種を分類する上で非常に有用な情報を与えることがわかった。
○サイドバンド二重共鳴分光
半導体レ-ザ-の注入電流にRF信号を重畳することで発生させたサイドバンド光と基本光を同時に分子の遷移に共鳴させる新しい光ー光二重共鳴の実験手法を開発した。この方法でAr原子のゼ-マン分裂したレベルを観測したところサブドップラ-の分解能の共鳴信号が得られ、寿命を正確に決定することができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Kanamori;S.Takashima;K.Sakurai: "NearーInfrared diode Laser Spectrometer with frequency Calibration using internal second harmonics" Applied Optics. 30. 3795-3798 (1991)

  • [文献書誌] H.Kanamori;S.Takashima;K.Sakurai: "Nearーinfrared diode Laser Spectroscopy of the nitrogen molecule in Rydberg states" J.Chem.Phys.95. 80-87 (1991)

  • [文献書誌] H.Homona;H.Kanamori;K.Sakurai: "High resolution study of the perturbation in the CO triplet band." J.Mol.Spctrosc.

  • [文献書誌] H.Kanamori;S.Takashima;K.Sakurai: "OpticalーOptical double resonance study using sideband generation of a nearーinfrared diode Laser" J.Chem.Phys.

  • [文献書誌] H.Kanamori;S.Takashima;K.Sakurai: "Predissociation of the nitrogen molecule in a Rydberg stote." J.Chem.Phys.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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