研究概要 |
1.FTIRー吸着同時測定装置の組み立て ステンレス製の吸着セルを設計し,金属加工を業者に依頼し以外は,炉,窓などは研究室で作製した.窓板にはCaF_2は使用した.炉の最高到達温度は800℃で,本研究の目的には十分である.吸着気体の圧力は,購入した高感度圧力センサ-(MKSー390H)を使用した. 2.含水酸化鉄,単分散ヘマタイトおよびヒドロキシアパタイトの合成とキャラクタリゼイション いろいろな構造と性質をもつ含水酸化鉄(FeOOH)を調製する目的でいろいろな条件下で合成を行った.その結果,アミン添加により粒子形が変化せず粒子の大きさのみが異なるβーFeOOHを調製することが出来た.これらの粒子への水,窒素分子などの吸着等温線とIRスペクトルの測定を行い,構造と性質を明らかにした.また,ポリカルボン酸イオンを添加すると,アミンとは異なり無定形の粒子が得られた.これらは,水分子のような小さい極性分子を選択的に吸着することを見つけた. 粒子の大きさと形が同じである単分散ヘマタイトαーFe_2O_3を合成し,立方体と球形の微粒子を得た.このような粒子が生成することがこれまで知られていたが,その構造はまだ明かにさていなかった.我々は,IR分光,吸着法,熱分析などによりそれらの構造を明らかにした. 種々のヒドロキシアパタイト(HAP)を合成し,IR分光,CO_2などの分子吸着によりHAP表面の構造と性質を調べた. 3.シリカゲルの合成とキャラクタリゼイション シラス多孔性ガラス膜を用いる単分散W/Oエマルジョンの新しい調製法を開発した.この方法を用いて,単分散シリカゲル微粒子の調製を試み,これに成功した. 4.フロ-式高感度熱量計による固体への金属イオンの吸着熱の測定 含水酸化鉄およびシルカゲルへのK^+などのアルカリ金属イオンおよびFe^<3+>などの遷移金属イオンの吸着熱を測定し,イオン交換熱を求めた.
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