研究概要 |
1.液体の水の分子動力学法プログラムの整備 多数の分子を含む系の超高速計算のためのプログラムを整備した. 水分子自身については簡単のため剛体分子の近似をした. 次に分子間の相互作用については2体相互作用のみを使用した. 2体相互作用はすでに熱力学量や輸送係数等をほぼ再現できることが明かとなっているカラヴェッテイ-クレメンテイのポテンシャルを採用した.これは非経験的な量子化学計算により導かれたものである. 立方体的な周期境界条件を課して液体の水に対する分子動力学プログラムを作った. 2.パッキング・トポロジ-解析プログラムシステムの開発 微視的な量の解析を的確に行なうためのプログラムシステムを開発した. 3.液体の水の分子動力学法シミュレ-ションの実行 室温以下の温度を重点的に液体の水のサンプルの時系列を発生させた. 4.パッキング・トポロジ-の時間変化の解析による水の動的の構造のキャラクタリゼ-ション 水分子の状態を「それから出ている水素結合が時間的に変化しつつあるか変化していないか」で分類する事により,水分子の変位の大きさに際だった違いが見つかった.これは従来の水素結合毎にその寿命等を議論するものと比べ液体の動的構造を把握する上でより本質的な観点である.
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