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1990 年度 実績報告書

活性化学種の構造と反応機構の振動分光研究

研究課題

研究課題/領域番号 02640370
研究機関広島大学

研究代表者

大野 啓一  広島大学, 理学部, 助教授 (50033858)

キーワード振動スペクトル / アルゴンマトリックス法 / 部分重水素化物 / CーD伸縮振動 / コンホメ-ション / 活性化学種
研究概要

本研究では活性化学種の固体状態の振動スペクトルを得ることを第1の目的としている。そのためには、一般に極低温下(11K)でアルゴンなどの不活性ガスにより活性化学種を希釈して凍結するアルゴンマトリックス法が用いられている。そこでまず、アルゴンマトリックス法が可能な極低温小型冷凍機付光学測定装置(本研究で申請)を組み立てた。次に、この装置の性能を調べる目的で、部分重水素化1ーブロモアルカンの赤外スペクトルを測定した。通常の測定では1ーブロモアルカンのCーD伸縮振動はブロ-ドなバンドとして観測されたが、アルゴンマトリックス法を用いて測定することにより何本かのバンドに分離できた。これらのバンドは特定のコンホメ-ションをとる分子に対応するCーD伸縮振動または倍音、結合音に帰属できた。すなわち、1ーブロモアルカンー1d_1およびー2d_1(CuH_<2n>DBr,n=3〜6)の2120〜2230cm^<-1>の領域に観測されるCーD伸縮振動の波数値より、隣接のCーC軸のコンホメ-ションを決定できることが明らかとなった。したがって、この装置が、このような分野の研究にも有効に利用できることがわかった。また、試料吹き次け部に温度調節を取り付けることにより指定温度での状態を凍結できるので異なる異性体間のエンタルピ-差も求めることが可能である。本研究の目的である活性化学種の振動スペクトルを得るため、上記の装置にさらに熱分解装置を組みこんだ光学装置を試作した。この装置を用いて、(CH_3)_3SiCH_2PH_2の熱分解により生成する短寿命化学種CH_2=PHの赤外スペクトルの測定を試みた。極低温(11K)では液体窒素温度(77K)で観測できなかったいくつかのバンドを測定することができた。現在、これらのバンドがCH_2=PHによるものかどうかの確認を行っている。以上のことより、この極低温光学測定装置は種々の分野で広く活用できることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Keiichi Ohno and Hiroatsu Matsuura: "Isolated CーD Stretching Vibration and Molecular Conformation of 1ーBromoalkanes" J.Phys.Chem.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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