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1990 年度 実績報告書

高温分子の赤外発光分光法の展開

研究課題

研究課題/領域番号 02640372
研究機関城西大学

研究代表者

上原 博通  城西大学, 理学部, 教授 (80160208)

研究分担者 堀合 公威  城西大学, 理学部, 講師 (10077935)
末岡 一生  城西大学, 理学部, 講師 (00077934)
中川 邦明  城西大学, 理学部, 講師 (50134995)
キーワード赤外発光分光 / 高温分子 / 振動回転スペクトル / Dunham係数
研究概要

高温分子は冷却時に振動回転遷移を赤外放射として放出するが、これを観測する発光分光法を我々は一昨年報告した。その後昨年(1990年)、Bernathが本赤外発光分光法が非常に有用であることを確認した旨報告している。本年度(1990年)に我々がおこなった研究は本発光分光法の展開である。スペクトルの観測には、ヒ-トパイプ高温試料セルとフ-リエ変換赤外分光器(分解能0.1cm^<-1>)とを用いた。この分光器はCsIビ-ムスプリッタ-とHe冷却Siボロメ-タ-を装着しており、長波長側は200cm^<-1>まで測定できる。こうして、すでに報告したGeS,KCl,GaF,InFに続いて本年度新たに観測した高温二原子分子は、NaBr(230ー320cm^<-1>)、TlF(390ー500cm^<-1>)、GaCl(310ー390cm^<-1>)、InCl(270ー330cm^<-1>)、GeSe(365ー435cm^<-1>)、AgCl(300ー390cm^<-1>)である。これらは全てΔV=1bandであり、多数のhot bandが重なったものであるが、かっこ内は観測されたスペクトルの帯域である。何れも初めて振動回転スペクトルが観測された。スペクトル線波数を読みとり、Loomis Wood図を用いてbandの帰属をし、分子により異なるが7〜8ケのDunham係数を決定した。何れの分子も振動定数Y_<10>(【similar or equal】we),Y_<20>(【similar or equal】ーwexe),Y_<30>(【similar or equal】weye)は、初めて正確な値が明らかになったものである。GaCl,InClについては、既報のマイクロ波スペクトルの実測値と同時fitするとBornーOppenheimer近似のbreak downを考慮する必要があった。本年度に観測した分子はスペクトル強度が弱いものが多かったが、例えばNaBrはback groundの7%程度の強度である。このようなものでも本発光分光法では観測、解析が容易であった。また,AgClは高温下で分解が進行するが、実験条件を選ぶことによりback groundの20%程度の発光強度が得られた。これらの分子についての赤外半導体レ-ザ-スペクトルはこれまでTlFを観測、測定した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hiromichi Uehara: "Far Infrared Emission Specroscopy of KCl." Chemical Physics Letters. 169. 599-602 (1990)

  • [文献書誌] Kuniaki Nakagawa: "Direct Analysis of Diatomic RotationーVibration Spectra Based on SimonsーParrーFinlan Potential" Chemical Physics Letters. 168. 96-100 (1990)

  • [文献書誌] Hiromichi Uehara: "Infared Emission Spectrum of GaF" Chemical Physics Letters. (1991)

  • [文献書誌] Ablikim Kerim: "Infrared Emission Spectrum TlF" Chemical Physics Letters. (1991)

  • [文献書誌] Hiromichi Uehara: "Far Infrared Emission Spectroscopy of NaBr" Chemical Physics Letters. (1991)

  • [文献書誌] J. Menon,ed.: "Trends in Physical Chemistry" Council of Scientific Research Integration,India., (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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