研究概要 |
1.4ーtーブチルー12ーエチルインデノ[1,2,3ーcd]ピレンをピレンから合成し、そのトランスーtーブチル化を試みたが、うまく行かなかった。しかし、スペクトルの検討から、母体のアセチル体は12ー置換体である事が明らかとなった。(3ー,5ーエチル体の合成と一括した論文を作成中) 2.シクロペンタ[cd]ピレンー3(4H)ーオンのアセチル化は8ー、6ー、1ー位に起こったが、1ーアセチルピレンに比べて特に1ー、6ー位の反応性が低い。これは5員環による歪みに起因すると考えられる。ニトロ化でも同様の傾向を示したが、生成物の回収率が低く、酸化反応による骨格の減成によると考えられる。(3月31日、日化年会口頭発表) 3.ポリニトロフルオレンを置換したアクリル酸誘導体の合成は完成していないが、その一環として、4ークロロホルミー2ークロロホルミルメチルー2,4ージメチルー4ーブタノリドを合成し、ヘキサメチレンジアミンとの界面重縮合で得たポリアミドのすぐれた水溶性などの特性を明らかにした。(論文発表済) 4.フルオレンリチウムとシクロヘキサンー1,4ージオンの反応で1,4ービス(9ーフルオレニル)ー1,4ーシクロヘキサンジオ-ルの2種の立体異性体を得た。これらの異性体の構造を確認し、現在、その脱水反応を行っている。DBUとの反応ではフルオレンに解離し、PPA処理するとシクロヘキセン誘導体が得られた。 5.その他の項目ー(1)シクロヘプタ[1]シクロペンタ[def]フェナントレンの合成、(2)フルオラデンの合成、(3)インデノピレンオキシドの合成ー(1)シクロヘプタ[1]シクロペンタ[def]フェナントレンの合成、(2)フルオラデンの合成、(3)インデノピレンオキシドの合成ーについては、現在のところ良い結果が得られていない。 6.この研究に関連して、フルオレン、ピレン、フルオランテン等の縮合多環芳香族化合物や4ーフェニルシクロヘキサノン誘導体の接触水素化を行い、興味ある知見が得られた。(論文準備中)
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