研究概要 |
1.インデノ[1,2,3ーcd]ピレンの3ー及び5ーエチル体、4ーtーブチルー12ーエチル体を合成し、12ーエチル体と共にそのNMRを検討した。置換基をもつ高次の縮合多環芳香族化合物の化学シフトは母体の化学シフトと置換ナフタレンなど低次化合物における化学シフトの変化から精度よく推定できる事を明らかにした。(論文発表済) 2.シクロペンタ[cd]ピレンとその類縁体の求電子種との反応性を検討した。シクロペンタピレンは求電子種の存在でカチオン重合を起こし、求電子種を置換した重合体が得られた。3,4ージヒドロ体、3(4H)ーケトンの反応では8ー、6ー、1ー位置換体などが生成し(前者のニトロ化では5ー位体も生成)、3(4H)ーケトンの臭素化では活性メチレン位にだけ反応した。これらの結果をモノ置換ピレンの求電子置換反応の結果と比較した。(口頭発表予定) 3.フルオレン、フェナントレン、シクロペンタ[def]フェナントレン、ピレン及びフルオランテンのラネ-ニッケル存在下での接触水素化を反応性と吸着性の点から検討した。例えば、フルオレンは融媒に吸着されにくく、他の炭化水素の共存下で著しく反応が遅くなり、ピレンはその逆であった。(論文準備中) 4.部分水素化縮合多環芳香族化合物に対して高い分離能をもつHPLC用液相を得る目的で、シリカゲルと末端ベンジル、シアノ基などをデカメチレン基で結合した液相を作り、その性能を検討した。(口頭発表予定) 5.官能基を導入しやすいテロマ-の創設を目的として、イタコン酸ジメチルのテロメリ化を行い、環状二量体などを得た。この反応性や生成物の性状などをメタクリル酸メチルの場合と比較、検討した。(口頭発表予定) 6.1,4ービス(9ーフルオレニル)ー1,4ーシクロヘキサンジオ-ルの脱水でフルオレニリデン系化合物は生成しない。2ー(3ーフルオランテニル)シクロヘキサノンをPPAで処理すると、分子間反応が優先的に起こる事がわった。
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