研究概要 |
1) 嵩高いtーブチル基や1ーアダマンチル基を隣接位に有する極めて立体障害の大きな一連の芳香族化合物を合成することに成功した。その典型的な例が化合物1〜3である。 2) 上で得た化合物の単結晶X線構造解析を行い,これらの化合物の嵩高い置換基が立体反発のために,互いに大きく捻れた配座をとっていることや,ベンゼン環が非平面構造をとっているなどの異常性を明らかにした。 3) これらの化合物の動的NMRを測定し,嵩高い置換基とベンゼン核との間の結合が,低温において凍結することを明らかにし,これより回転の障壁エネルギ-などを算出した。 4) 3,4ー位に嵩高い置換基を有する一連のチオフェンのジオキシドを合成し,その酸化反応を検討した。その結果,これらの化合物の二重結合のHOMOが立体障害により上昇して酸化されやすくなっていること,また,一次生成物であるエポキシドのチェットジオキシドへの転位などの新反応を見い出した。
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