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1990 年度 実績報告書

πーアリルパラジウム錯体の電荷の反転を利用する有機合成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 02640407
研究機関上智大学

研究代表者

増山 芳郎  上智大学, 理工学部, 助手 (30138375)

キーワードπーアリルパラジウム / カルボニルーアリル化 / 塩化第一スズ / Umpolung / ジアステレオ選択 / 溶媒和 / キレ-ション
研究概要

筆者は、PdCl_2(PhCN)_2ーSnCl_2複合剤により、アリルアルコ-ル類がπーアリルパラジウム錯体の形成、続いて電荷の反転により、アリルアニオンのsynthonとして働き、カルボニル化合物のアリル化反応に応用できることを見いだした。本研究では、これを応用し、以下の点を明らかにした。1.アリルスズ中間体の構造の確認:^1H,^<13>C,及び^<119>SnNMRにより、無水系では、アリルスズ中間体はアリルトリクロロスズであり、水の添加により、SnーCl結合が加水分解され、SnーOX結合に変る。それらアリルスズ中間体は_ー80℃でも容易に反応する極めて高活性なアリル化剤である。2.不均一系での超音波促進アリル化法:SnCl_2を溶かす比誘電率の高い溶媒中で、(E)ー2ーブテノ-ルはγ位置選択的に反応する。低誘電率溶媒では、逆にα選択的であるが、不均一であるため、そり反応は極めて遅い。そこで、超音波発生機による反応促進を試み、エ-テル中で、α選択性を維持して収率を上げることができた。その結果、位置選択性を自由に制御できるようになった。3.極性溶媒中のキレ-ション制御ジアステレオ選択法:(1)ωーヒドロキシカルボニル化合物のキレ-ション:通常anti選択性を示す(E)ー2ーブテノ-ルのγ付加において、οーヒドロキシベンズアルデヒドではsyn選択性を示した。また、αーヒドロキシケトンもsynー1,2ージオ-ルを生成した。これらは、アリルスズのSn(IV)へのヒドロキシ基とカルボニル基のキレ-ションにより説明できる。(2)分子内エステルカルボニル基のキレ-ション:1ー置換ー2ーエトキシカルボニルー2ープロペノ-ルから生成するアリルスズ中間体の分子内エステルカルボニル酸素のSn(IV)へのキレ-ションにより、アルデヒドへの付加はジアステレオ選択的に起こり、synーβ,γー二置換ーαーメチレンーγーブチロラクトンを生成した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshiro Masuyama Yumiko Nimura Yasuhiko Kurusu: "PalladiumーCatalyzed Carbonyl Allylation by 2ー(Hydroxymethyl)acrylate Derivatives:Synthesis of αーMethyleneーγーbutyrolactones" Tetrahedron Letters. 32. 225-228 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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