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1991 年度 実績報告書

植物組織培養によるエクジステロイド生合成メカニズムの精密解析

研究課題

研究課題/領域番号 02640422
研究機関東京工業大学

研究代表者

藤本 善徳  東京工業大学, 理学部, 助教授 (50173472)

キーワードエクジステロイド / 20ーヒドロキシエクジソン / 生合成機構 / 安定同位体標識化合物 / 毛状根 / Ajuga reptans / 植物組織培養
研究概要

昆虫の脱皮変態ホルモン20ーヒドロキシエクジソン(1)の生合成機構,特にシスA/B環のステロイド構造の生成の機構について,アグロバクテリウム接種によりエクジステロイド類を多量に生産するように形質転換したシソ科植物アジュガ毛状根の培養組織を用いて以下のことを明らかにした.
1.3αー ^2Hーコレステロ-ルおよびβー ^2Hーコレステロ-ルを合成し,これらを投与し得られた(1)の ^2HーNMRを測定し,コレステロ-ルの3αーH,4βーHはそれぞれ(1)3αーH,4βーHとしてそのまま保持されることを明らかにした.この結果は,昆虫や植物の生合成実験で従来報告されたいたデ-タとは異なる,より信頼性のおける新しい知見である.
2.上記のことより,従来否定されていた3βーヒドコキシー5βーコレストー7ーエンー6ーオンの中間体の可能性を想定し,この5βー ^2H標識体を合成した.この投与実験を行い(1)の ^2HーNMRにより,本物質はコレステロ-ルよりも明らかに高率で(1)に取り込まれることが判明した。
特に,2.の成果は植物,ひいては昆虫におけるエクジステロイドの生合成経路の解明に当たって画期的なブレ-クスル-を与えるものである。本研究では,実験材料としてエクジステロイド高生産能の植物組織培養を用いたこと,および,放射性同位体でなく安定同位体標識の使用が可能になったことの利点を十分に活かして研究を進めることができたのが特徴である.現在,既知の中間体である7ーデヒドロコレステロ-ルと今回中間体であることを見いだした3βーヒドロキシー5βーコレストー7ーエンー6ーオンの間に位置する物質についての実験デ-タを集め,生合成機構の精密な解析を完了する予定である.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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