研究概要 |
海洋生物由来の特徴的二次代謝産物として高次炭素鎖化合物があげられる。本研究は新規に発見した頗鞭毛藻の産生する高次炭素鎖化合物の単離、構造決定を目指すとともに、そのなかに潜む有機化学的基礎を発見する。 前年度培養して得た渦鞭毛藻の藻体60gより抽出分離を行ない、目的物51mgを得た。現在スペクトル解析中である。しかしながら,分解反応が必要であり、過ヨウ素酸化、オゾン分解を行ない、対応する分解物を得た。これらもスペクトル解析を行っているが、相当複雑である,4個の二級メチル、2個の末端メチレン、非共役の15個のオレフィングロトン等存在が明らかとなった。多くの水酸基の存在が確認されるが、エ-テル結合は比較的少ない。 活性として本年度明らかとなったことは、急性毒性、細胞毒性あることがあげられる。しかしながら、発癌プロモ-タ-活性はない。 本年度の研究で予想通り構造の複雑なことが確認され、さらに構造決定のための試料がより必要となった。培養液180lを調整し、7週間培養した。その結果、藻波約55gを得たのでこれも分離精製を進めている。一方、本物貭は水溶性であるが脂溶性画分に抗P388物貭が存在するのでこれも含めて研究を進めている。国内の研究者との競争になっているので早急に結果が出るようにしたい。また、構造が決定されなければ有機化学的基礎も発見できないのでさらなる培養も含め研究親度を高める。
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