研究概要 |
1.ウシガエルの脳ガングリオシドの構造ーウシガエル(Rana catesbe)の脳組織より,3種類の主成分ガングリオシド,(Rー3),(Rー5)および(Rー6),とともに,新たに3種類の微量ガングリオシド(Rー1),(Rー2)および(Rー4)を単離した。新規ガングリオシド(Rー1)は,その(ー)ーFABMSおよび^1H NMR スペクトル並びに完全メチル化物の(+)ーSIMSスペクトルから,構造式(Rー1)と決定された。一方,ガングリオシド(Rー2)および(Rー4)は,G_<Dla>およびG_<Tla>とそれぞれ同定された。次に,脳ガングリオシドのセラミド部分を構成している脂肪酸と長鎖塩基のうち長鎖塩基部分の絶対構造を決定した。脳セレブロシドの場合と同様な方法により脳ガングリオシドを処理し,長鎖塩基のベンゾエ-ト・ベンズアミド誘導体を得た。この誘導体のIR,MSおよびCDスペクトルから,長鎖塩基は,(2S,3R,4E)の絶対構造をもつことがわかった。 2.イモリの脳ガングリオシドの構造 イモリ(Triturus pyrrhogaster)の脳組織より,5種類のガングリオシド(Tー1)〜(Tー5)を単離した。それらは,諸スペクトルの比較により,それぞれ,(Rー1),G_<Dla>,(Rー3),(Rー5)および(Rー6)と同定された。さらに,ウシガエルでは(Rー3),(Rー5)および(Rー6)が主成分であるのに対し,イモリではG_<Dla>(Tー2)が主成分であることがわかった。
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