Kjellmanianoneの合成については、キラルなグリセルアルデヒドから導いたシクロペンテン(1)の二重結合を開裂し、グリニヤ-ル反応、酸化、脱水、異性化を経て化合物(2)に変換した。今後、二重結合の切断、クライゼン縮合を経て目的物への誘導を検討する予定である。 Integerrinecic acid lactoneの合成については形式的に合成経路を確立した。即ち、Evansの不斉アルド-ル縮合により合成したキラル2級アルコ-ル(3)を保護した後にauxliaryを除いて化合物(4)とし、ヨウ素化、増炭反応、脱保護、メタノリシスを行ってを化合物(5)に導き、カルベンのOーH挿入反応でアセトニル化し、Dimethyl diazomethyl phosphonate(DAMP)との反応をおこなったところ、化合物(6)が得られた。PCC酸化、オゾン酸化により得られたカルボン酸を酸処理すると、ラクトン(7)が得られた。この化合物はすでに筆者自身によって良い収率で目的物に誘導されている。現在、各段階の収率向上を検討している。 Wikstromolについてはフェルラ酸を出発物としてScheme3のように水酸基の保護、水素添加、塩素化を経てimide(8)を、また、水酸基保護、水素添加、還元、脱水、二重結合切断によりアルデヒド(9)を合成した。Evansの不斉アルド-ル反応を行うとキラル2級アルコ-ル(10)が得られたので、chiral auxiliaryを除いて1級アルコ-ルを保護し、アセトニル化、DAMPとの反応を検討している。
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