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1990 年度 実績報告書

大気中陸起源鉱物粒子と深海堆積物粒子の化学組成と粒径の相関

研究課題

研究課題/領域番号 02640456
研究機関北海道東海大学

研究代表者

植松 光夫  北海道東海大学, 工学部, 助教授 (60203478)

キーワード海洋堆積物 / 大気エアロゾル / 懸濁物粒子 / X線マイクロアナリシス / 粒子形状分析 / 鉱物粒子組成
研究概要

環境中に存在する微小鉱物粒子を採取し、走査型電子顕微鏡(SEM)、エネルギ-分散型X線分析装置(EDS)に自動粒子形状解析装置(AIA)を組み合わせた粒子分析システムで分析を行なった。
1.大気粒子試料は連続的に時間分割試料が捕集出来るステップサンプラ-を用い、分析システムに適したサンプリング条件を検討した。その結果、ヌクレポアフィルタ-(孔径1.0mum)を用い、吸引流量は1l/minで濾過することが最適であることがわかった。またハイボリュウムエアサンプラ-を用い、大気の連続観測を通年行なった。
2.日本海盆の水深3600mの観測点で柱状堆積物試料し海水を濾過して集めた懸濁物試料を得た。堆積物試料は試料を蒸留水中で懸濁させ、濾過し粒を散在させた。
3.これらの試料はSEM観察と元素分析が可能な炭素蒸着コ-ティングを行なった。このシステムの分析精度は標準ガラスと標準岩石を用い、含まれている主要10元素についてそれぞれ公表値の1%以内の精度を得た。
4.大気粒子の粒子形状化学分析の結果から、大気中を浮遊している粒子はSiーAl,Si,Feをそれぞれ主成分とするものや特徴のある微量元素を含むものに分類が出た。また粒径の変動は、昼に平均粒径が大きく、夜に小さくなるという変動が明らかになった。
5.堆積物の分析結果から、大気粒子とは異なり、MnやTiを多く含む粒子の分類が必要であった。粒径については粒子数300個の自動分析から平均粒径(Waddel Diameter)が3nm程度であった。しかし、ケイ藻等の細長い破片や生物起源の針状粒子についてどのように処理すべきか検討の余地が残されている。
6.今後、自動分析装置のソフトウエアを改善し、一試料についての測定粒子数を増やし、分析値の信頼性を高めること、多くの地球環境試料を分析し、化学成分による粒子の特徴を整理、体系化していきたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 植松 光夫: "衛星画像を基にした北太平洋上の陸起源エアロソルの分布と降下量の見積" 衛星による地球環境の解明. 289-293 (1991)

  • [文献書誌] 植松 光夫: "アジア大陸から日本へ海洋大気を通して輸送される粒状物質の研究" 平成2年度日産科学財団研究成果報告書. (1991)

  • [文献書誌] Young,R.: "“Atmospheric iron inputs and primary productivity:phytoplankton responses in the North Pacitic"" Global Biogeochemical Cycles.

  • [文献書誌] Uematsu,M.: "“Atmospheric berylliumー7 concentrations over the Pacific ocean"" Geophysical Research Letters.

  • [文献書誌] 植松 光夫: "“太平洋上での黄砂観測",“太平洋海底の堆積物と黄砂"「黄砂」,名古屋大学水圏科学研究編" 古今書院, (1991)

  • [文献書誌] 植松 光夫: "“深海堆積物は空から"「海と地球環境ー海洋学の最前線」日本海洋学会編" 東京大学出版会, (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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