研究課題/領域番号 |
02640457
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
佐藤 義夫 東海大学, 海洋学部, 助教授 (70056315)
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研究分担者 |
竹松 伸 理化学研究所, 研究員 (70087451)
小野 信一 東海大学, 海洋学部, 助教授 (20152530)
加藤 義久 東海大学, 海洋学部, 助教授 (00152752)
岡部 史郎 東海大学, 海洋学部, 教授 (20055669)
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キーワード | バクテリア / マンガン酸化バクテリア / 海水 / 堆積物 / マンガン団塊 / 酸化速度定数 / 酸化層 / 化学元素 |
研究概要 |
本年度の研究は、マンガンを酸化するバクテリアの海水および堆積物中での分布やその種の同定、海水からのマンガンの除去とバクテリアとの関連性およびその際の化学元素の挙動について検討を行った。 海水中のマンガン酸化バクテリアの分布は、沿岸や外洋域の表層水および底層水中では1×10^2〜1×10^3 CFU ml^<-1>と多いが、中層水中にはほとんど存在しないことが分かった。また、東京ーグワム島間における13地点の表層水中のマンガン酸化バクテリアは、往路ではどの地点からも確認され、全バクテリア数の約90%にも達したが、復路の日本近海では確認できなかった。 堆積物中のマンガン酸化バクテリアは、Ehが200mV以上、Mn濃度が100ppm以上の酸化層にのみ存在することが分かった。また、これらのバクテリアは様々な水深から確認することができたが、水深との関連性は見いだされなかった。 東海大学海洋科学博物館地下海水給水系におけるマンガンの酸化速度定数の平均値は1.0×10^<21> mol^<-4>l^4d^<-1>と大きな値であった。特に、マンガン酸化バクテリアが増殖した際の速度定数は1×10^<22> mol^<-4>l^4d^<-1>に達した。この値は、Emerson et al.(1979)が報告したバクテリアの媒介する際の速度定数(8.0×10^<22> mol^<-4>l^4d^<-1>)に匹敵する。すなわち、マンガン酸化バクテリアが増殖すると、海水中の溶存マンガンが水相から除去されることが明かとなった。そして、海水中のpH、アンモニウム塩、亜硝酸塩、硝酸塩、溶存マンガン濃度が変化を示した。 海水、堆積物、マンガン団塊および地下海水給水系から採取されたマンガン酸化バクテリアは、Flavobactrium属、Alcaligenes属、Vibrio属であった。この内、酸化能力の高いものはFlavobctrium属、vibrio属であった。
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