環境変動のない場合の解析を終了した。年一化の場合は、休眠は進化しないことが判った。分散するとそのコストはかかるが、行きついた先で増殖することができる。一方、休眠をすると休眠の際の死亡のコストがかかるだけで、増殖することができないからである。年二化の場合は今いるパッチがしだいに悪くなると、先ずは分散で対応する。ところが分散個体数が増すとしだいに分散先の環境が悪くなる。分散先の収容能力一ぱいに分散個体数がなると、分散率は一定となり、こんどは環境の悪さを休眠することによって逃れようとする。即ち、休眠率がしだいに増加する。このように、休眠と分散を同時に考慮することによって、興味ある結果が得られた。 この結果は、研究協力者の本学辻宣行と共に、第5回国際生態学会で発表した。平成3年度に、環境変動がある場合を解析し、合わせて論文としてまとめて発表する予定です。
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