研究概要 |
Ch1の合成とアポタンパク質の蓄積との関係を調べるため、大麦第一葉をALAで前処理した後間欠光で緑化させ、Ch1とCP1,LHCII、43kDaのアポタンパク質を定量した。その結果、ALAで処理するとCh1aとCh1bがそれぞれ1.5と3倍に増加した。LHCIIアポタンパク質の蓄積も約3倍に増加したが、CP1と43kDaアポタンパク質はほとんど変化しなかった。このことは、本実験系においては、LHCIIアポタンパク質だけがCh1の合成速度に対応して、その蓄積量を変化させることが明らかになった。 次に上記の結果とそれらの合成速度を比較するため、 ^<35>Sメチオニンで処理し、アポタンパク質へのラベルの取り込み速度を調べているが、現在のところラベルされたバンドの同定を行っているところである。今後は、抗体でタンパク質を沈澱させその放射能を測定することにより各アポタンパク質の合成速度を調べる予定である。 アポタンパク質を分解するプロテア-ゼの活性を調べるため、インタクトなエチオプラストを単離し、膜画分を調整した。これを1%Triton Xー100で可溶化した後遠心して可溶性画分をえた。これにTriton Xー100で可溶化したLHCIIを加え一定時間インキュベ-トし、ウエスタンブロットで調べたところ、LHCIIの断片が認められた。これはエチオプラスト膜画分にアポタンパク質を分解するプロテア-ゼの存在を示している。今後はCh1の結合の有無によりアポタンパク質の分解のされ方に差があるのかを調べる。またCP1アポタンパク質についても同様な実験をする予定である。
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